Huawei対ZTE事件CJEU判決後の判例法
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Sisvel対Haier、ドイツ連邦最高裁判所(Bundesgerichtshof)

2020年11月24日 - 事件番号: KZR 35/17

http://caselaw.4ipcouncil.com/jp/german-court-decisions/federal-court-of-justice-bgh/sisvel-v-haier

A. 事実

原告であるSisvelは、各種無線通信規格の実施において必須な(と見込まれる)ものとして宣言された特許(標準必須特許、又はSEP)を保有する。Sisvelは、公平、合理的、かつ非差別的(FRAND)な条件にてユーザにSEPの利用を認めることを欧州電気通信標準化機構(「ETSI」)に誓約した。

被告は、中国に本社を置くHaier groupの欧州における2つの子会社である(「Haier」)。Haierグループは、とりわけ、GPRS規格とUMTS規格を含む各種規格に適合した携帯電話とタブレットの製造及びマーケティングを行なっている。

2012年12月20日、Sisvelは、Haier groupの親会社(Haier China)に対し、自社のSEPについてライセンスの申出を行う旨を知らせ、自社のポートフォリオに包含されたおよそ235件の特許の一覧を提示した。2013年8月及び11月に、Sisvelは、Haier Chinaに対し、自社のライセンスプログラムに関する情報を記した追加の書簡を送付した。

Haier Chinaは、2013年12月のみ、Sisvelに対して回答し、Sisvelと「正式な交渉(formal negotiation)」を行うことを「望んで」いる旨を明示すると共に、これまでのやりとりでSisvelが提示した割引の可能性に関する情報の提供を求めた。

2014年8月、SisvelはHaierに対してグローバルポートフォリオ・ライセンスの申出を行ったが、この申出は拒絶された。

その直後、Sisvelは、Haierに対し、デュッセルドルフの地方裁判所(本地方裁判所)に権利侵害訴訟を申し立てた。訴訟のうち一件はUMTS規格に対応する特許に関するものである(係争特許)。その他の訴訟はGPRS規格への対応に関するものである。Haierは双方の特許に対して無効を求め、ドイツ連邦特許裁判所に訴訟を提起した。

権利侵害訴訟の係争中、HaierはSisvelに対し数件のカウンターオファーを申し出た。これらのカウンターオファーは裁判所でHaierに対し申し立てられた特許(特許ファミリー)のみに関するものであったため、対象が限られていた。

2015年11月3日に、本地方裁判所は、両案件ともSisvelに有利な判決を下した [1] 。本地方裁判所はまた、Haierに対して差止命令を出し、侵害製品のリコール及び破棄を命じた。さらに本地方裁判所は、本案に関するHaierの損害賠償責任を認めると共に、Haierに対して、Sisvelに対する侵害製品の販売にかかわる完全かつ詳細な会計書類の提示を命じた。Haierは、この2つの決定について上訴した。

上訴手続において、Haierは、とりわけ、デュッセルドルフ高等裁判所(Higher District Court of Duesseldorf)(本控訴裁判所)に対し、Sisvelが侵害訴訟を提起した後の、Huawei対ZTE事件で下された判決 [2] (Huawei判決)において欧州司法裁判所(CJEU)がSEP保有者に課した行動要件について、本地方裁判所がこれを適切に考慮しなかった旨を主張した。

本控訴裁判所での手続き中、2016年1月16日に、Haierはさらに、ドイツの裁判所が係争特許の有効性及び侵害性を最終的に認めた場合のみ、SisvelからFRANDライセンスを受けるつもりであることを宣言した。Haierはまた、Sisvelのポートフォリオに含まれる全ての特許に関するクレームチャートも要請した。

2016年12月、SisvelはHaierに対して新たなライセンスの申出を行ったが、この申出はまた拒絶された。

上訴手続における口頭弁論終了の数週間前となる2017年1月20日、HaierはSisvelにさらなるカウンターオファーを行った。提案されたライセンスは、ドイツで訴えられたHaierグループの子会社2社のみを対象とするものであったが、合意には至らなかった。

2017年3月30日付の2件の判決により、本控訴裁判所は、並行訴訟についてHaierの上訴を部分的に認めた [3] 。差止命令による救済、並びに侵害製品のリコール及び破棄の請求は棄却された。Sisvelが、特にHaierに対してFRANDライセンスの申出を行わなかったことにより、Huawei判決に基づく自らの義務を遵守しなかったというのが理由である。

Sisvelは、本控訴裁判所の決定に対して不服申し立てを行った。

2020年4月、ドイツ連邦最高裁判所(FCJ又は本裁判所)は、係争特許の有効性に対するHaierの異議を最終的に棄却した [4]

2020年5月5日、FCJは、GPRS規格に対応する特許に関し当事者間で係属中の並行訴訟について判決を下した [5] 。本裁判所はSisvelを支持する判決を下し、本控訴裁判所の判決を破棄した。本判決 [6] で本裁判所は、係争特許に関する事件でも本控訴裁判所の判決を破棄している。
 

B. 判決理由

本裁判所は、係争特許がUMTS規格に必須であり、侵害を受けているとの判決を下した [7]

FCJは、本控訴裁判所のこれまでの見解とは異なり、SisvelがHaierに対する侵害訴訟を開始することによりEU機能条約(TFEU)第102条に違反して市場での支配的な地位を濫用したとは言えないと判断した [8]
 

市場での支配的な地位

本裁判所は、SisvelがTFEU第102条の意味の範囲内で市場での支配的な地位にあるとの判決を下した [9]

FCJは、特許が標準化団体によって策定された標準(又はデファクトスタンダード(事実上の標準))に適合する上で技術的に必須であって、かつ、下流市場で付された製品について、当該標準に代わる技術的な手段が利用できない場合、市場での支配的な地位が構成されると説明した [10] 。代替的な(技術的)選択肢が存在する場合でも、特許の教示を用いない製品が(下流)市場で競争力を持たない限り、市場支配が生じる可能性がある [10] 。FCJによれば、このことは、係争特許に関しても当てはまる。
 

市場での支配的な地位の濫用

しかしながら本裁判所は、SisvelがHaierに対する侵害訴訟を開始することにより市場での支配的な地位を濫用したとは言えないと判断した [11] 。支配的地位の濫用は、SEP保有者について以下のいずれかが当てはまるときに発生しうる。
 

  • ライセンス契約を締結する意思のある実施者に対して、FRAND条件でのライセンス許諾を拒否し、差止命令による救済(並びに/又は侵害製品のリコール及び破棄)を主張して裁判を起こす。
  • 基本的にライセンスを取得する意思のある実施者に対して、SEP保有者がその市場での支配的な地位に付される「固有の責任」に従ってライセンス契約の締結を円滑に進める「十分な努力」を尽くしていない [12]

本裁判所は、上記双方のシナリオにおいて、 「意思」を有する実施者に対する訴訟の提起は、FRAND条件の下で特許の教示を使用することについてSEP保有者から契約上許可されることを実施者が請求する場合のみ濫用となるとの見解を示した [13] 。一方、交渉開始時に特許保有者が提示した申出によって、実施者の行為が不当に妨げられたり差別されたりする場合でも、契約上合意されていれば、それだけでは濫用が成立しないのが通例である [13] 。SEP保有者が実施者とのライセンス交渉における最終段階でもそのような条件を主張した場合、濫用とみなされる可能性がある [13]
 

権利侵害通知

本裁判所は、市場支配的特許保有者の「固有の責任」は、規格への適合に際し当該特許が使用されていることを実施者が認識していない(可能性がある)場合に、訴訟を提起する前に当該特許の侵害について実施者に通知する義務を構成すると説明した [14]

本事件において、本裁判所は、Sisvelが2012年12月20日付の書簡及びその後のやりとりによって所定の適切な侵害通知をHaierに交付したと判断した [15]
 

意思

その一方、本裁判所は、HaierがSisvelからFRAND条件によるライセンスを取得する意思のあるライセンシーとして行為しなかったと判断した [16] 。この点において、FCJは、逆の結論に至った本控訴裁判所による評価に異議を示した。

本裁判所の見地から、実施者は、FRAND条件によりSEP保有者とのライセンス契約を締結する意思について、「明確に」かつ「疑義の生じないよう」宣言し、以後、「目標志向で」交渉を行わなければならない [17] 。それに対し、実施者は、権利侵害の通知に対して、ライセンス契約締結を検討する意思を示したり、ライセンス取得の是非及びその条件についての協議に入る意思を示したりするだけでは不十分である [17]

本裁判所は、実施者が、それぞれの契約的基盤を作ることにより、将来にわたって特許の無許可使用を正当化する意思があることが、SEP保有者に実施者とのFRAND条件に基づくライセンス交渉義務を負わせる前提条件であるとの理由を述べた [18] 。さらに、利害の対立する当事者間でバランスをとる適切な解決策は、原則として利害に基づく交渉によってもたらされることから、(双方の)意思が不可欠である [19] 。FRAND条件での合意に向けた交渉に当事者が貢献しなかったという事実は、通常の場合、当該当事者の不利益とみなされる [20] 。実施者が侵害通知の受領後、長期間にわたりFRANDライセンスの取得に関心を示さなかった場合、当該遅延にかかわらず可能な限り早急にライセンスを締結できるような「追加的努力」を講じなければならない [21]

本裁判所は特に、SEP保有者が法廷で特許を主張する権利が制限されていることにより直面する「構造的不利」 を利用することによって、実施者が「特許のホールドアウト」を行うべきではないと強調した。 [22] さもなければ、適時にライセンスを取得した実施者と比較して、侵害者が不当な利益を得ることになり、競争が歪められる可能性がある [22]

FCJは、FRANDライセンス取得に関し意思表示をするという実施者の義務に関する要件の上記解釈はHuawei判決に沿ったものであり、Haierが要請するような各問題をCJEUに新たに付託する必要はない、という見解を示した [23] 。Huawei判決は、市場での支配的な地位の濫用に当たるという認定を排除するためには確立された義務を遵守することで通常は十分である、という意味において、反トラスト上の責任に対する「セーフハーバー」を創出した [24] 。しかし、特別な状況下では、より厳格な/緩やかな当事者の行為義務が正当化される場合もある。 [24]

本裁判所は、Huawei判決が、実施者は交渉の全過程においてライセンスを取得する意思を持ち続けるべきだ、という見解を支持しているとの所見を述べた [24] 。「継続的な」意思は、交渉を成功させるための、あるいは交渉が失敗した場合にSEP保有者側の市場での支配的な地位の濫用が認定されるための「不可欠な条件」である [25] 。客観的に見て実施者にFRANDライセンスを取得する意思と能力がない場合、SEP保有者が当該ライセンスの供与を拒否することは、確かに、反トラストの観点からは何の関連性もないと考えられる [26]

従って、FCJは、SEP保有者がライセンス供与を申し出た場合にも、意思表示は(この場合でも)行われなければならないと説明した [27] 。この点で、本裁判所は、Nokia対Daimler事件における、FRANDに関連する特定の問題のCJEUへの最近の付託に関するデュッセルドルフ地方裁判所の(FCJとは異なる)見解に同意していない [28] 。FCJによれば、SEP保有者の申出は交渉の「出発点」に過ぎず、FRANDには「幅」が存在するため、双方の利益を考慮した公正かつ合理的な結果を得ることが交渉の目的となる [29] 。従って、実施者はSEP保有者が申し出た条件がFRANDに適合するか否かを検討する義務がある [30] 。もし申し出が「明らかに」FRANDでない場合は、実施者がその理由を説明すれば十分である [30]

この意味で、本裁判所は、実施者がSEP保有者のライセンス申出を調査する義務は、オファーが内容的にあらゆる点でFRANDに適合しているか否かに関係なく存在することを明確にした [31] 。もしSEP 保有者に「完全に」FRANDに適合する申出を直ちに行うよう要求する場合、ライセンス交渉の必要性は失われると考えられる [32] 。また、各当事者が関連すると考える側面を参照することなく、曖昧なまま申出のFRAND適合性を評価することは不可能である [33] 。本裁判所は、非FRANDのライセンス供与は、それ自体が市場での支配的な地位の濫用には当たらないことを改めて指摘した [34]

とはいえ、FCJは、実施者の意思を評価する際はその行動全体(SEP保有者のライセンス供与の申し出に対する反応を含む)が考慮されなければならないと指摘している [35] 。その結果、時間の経過とともに意思は変化する場合があり、SEP保有者が提起した訴訟も、実施者がFRANDライセンスを適切に要請すれば、後の時点で濫用となる可能性がある [36] 。しかし、実施者によるそのような要請の主張が遅くなればなるほど、意思あるライセンシーとみなすための閾値は高くなる [37] 。本裁判所は、上記の解釈はHuawei判決に沿ったものであるため、Haierが要請したCJEUへの追加付託は必要ないことを再度指摘した [35]

このような背景から、本裁判所は、Sisvelの侵害通知を受けてからHaier Chinaによる最初の回答まで約1年かかっているということは、遅きに失したものであるとの所見を述べた [38] 。実施者が侵害通知に対する回答に数か月を要する場合、通常、ライセンスの取得に関心がないことを示す [38] 。それに加えて、FCJは、2013年12月のHaierの回答には「正式な交渉」を行うという「希望」のみが述べられており、内容的に十分な意思表示とは言えないと判断した [39] 。Haierは、侵害通知に対する反応において遅きに失したため、意思を示すための「追加的努力」を講じるべきであったが、そうしなかった [40]

同様に、Haierの2016年1月16日付の書簡にも、十分な意思表明が記載されていなかった。Haierがドイツの裁判所による係争特許の有効性と侵害の事前確認をライセンス締結の条件としていたためである [41] 。実施者は、原則として、契約締結後もライセンス供与対象特許の有効性を争う権利の保持が認められているが、本裁判所は、本件で実施者の意思表示を認めることはできないとしている [42] 。それに加えて、Haierが侵害通知を受領して約3年後にSisvelのポートフォリオにおける全ての特許のクレームチャート提出を要請したことは、Haierが係争特許の期限が切れるまで交渉を遅らせることにのみ関心があったことを示す、と本裁判所は述べている。 [43]

さらに、FCJは、FRANDライセンス締結に対するHaierの意思は、侵害手続き中に行われたカウンターオファーにも見出すことができないと判断した [44] 。これらのカウンターオファーが、その対象範囲において、Sisvelが法廷で主張した特許にのみ限定されていたという事実は、世界的なポートフォリオライセンスに対するSisvelの要請に対しHaierが真剣に対応していなかったことを示している [45] 。Sisvelのポートフォリオを検討する時間が十分すぎるほどあったことを考えると、Haierには、このような「選択的ライセンス供与」の実質的な根拠を示すことが期待された [45]

さらに、本裁判所は、Haierが控訴審終了直前に行った2017年1月20日付のカウンターオファーも十分な意思表示ではないと判断した [46] 。本裁判所は、当該ライセンスがドイツで訴えられたHaierグループの2つの関係会社のみに適用されるという事実に特に注目した [47] 。FCJによれば、Haierは、そのような「選択的ライセンス」に関して「正当な利益」を有していなかった。それどころか、限定的なライセンスは、Haierグループの別会社による侵害に対して十分な保護を提供するものではなく、結果としてSisvelに、自社のSEPに関して「特許ごと、国ごと」に費用のかかる主張を強いるものとなったとした。 [48]

さらに、本裁判所は提案されたロイヤルティの構造も批判した [49] 。Haierは、自社が「おそらく」不可欠とみなすライセンスに含まれるべきSEPのごく一部(4つの特許ファミリー)のみをロイヤリティを計算の基礎としていた [50] 。本裁判所は批判の理由について、ライセンスの範囲は交渉によって明確にされる必要があるが、ICT分野では関連する特許の数が多いため、必須性と有効性の双方に関する推定に依拠することが一般的であり、この推定によって「然るべく残存する不確実性」を適切に考慮することができ、また取引費用が不釣り合いに高くなることの回避に役立つと述べている [51]

それとは別に、カウンターオファーが控訴審の「最終段階」で行われたという事実は、Haierが実際にはFRANDライセンスの締結を目指していたのではなく、むしろ係争中の訴訟に関する戦術面での考えが動機であったとの結論に至ることを可能にした [52]
 

SEP保有者によるライセンスの申出

本裁判所は、HaierがFRANDライセンスを取得する意思を十分に示していなかったと判断し、本件においてSisvelのHaierに対するライセンス供与申出のFRAND適合性を検討しなかった [53] 。FCJによれば、実施者がFRANDライセンスに署名する意思を十分に表明していない場合、適合性は関係ないとのことである [54]

本裁判所は、侵害について実施者に通知する義務は別として、SEP 保有者の義務(FRAND ライセンス供与の申出を行う義務を含む)は、実施者が FRAND 条件でライセンスを取得する 意思を示した場合にのみ生じることを強調した [55] 。特許保有者が該当する標準化団体にFRANDを確約した場合でも、特許使用者が原則として権利保有者からのライセンス供与を求める義務を負うという事実は変更されるものではない [55]
 

C. その他の重要事項

特許の待ち伏せ

本裁判所は、「特許の待ち伏せ(patent ambush)」の主張に基づくHaierの抗弁を棄却した [56] 。Haierは、Sisvelが当該特許を取得した最初の特許権者がUMTS規格の開発中にETSIに対し特許を適切に開示しなかったことから、係争特許は強制不能であると主張していた。

本裁判所は、上記の意味での「特許の待ち伏せ」が本事件で実際に発生したか否かについては検討しなかった [57] 。FCJは、実施者が「特許の待ち伏せ」を主張できるのは、規格の開発プロセスに実際に参加した特許保有者を相手方とする場合に限られ、逆に、その後継者(ここではSisvel)に対してそのような抗弁はできないとの見解を示した [57]

上記にかかわらず、本裁判所は、「特許の待ち伏せ」は、情報が開示されないことにより該当する標準化団体における意思決定プロセスが歪められた場合に認められると指摘した [58] 。本件において、実施者は、関連する特許出願を考慮した情報が事前に開示されていたならば規格が異なる形をとっていたことを示すなんらかのものを少なくとも立証しなければならない [59] 。しかしながら、Haierはそれを行っていない [59]
 

損害賠償金

最後に、本裁判所は、Sisvelの損害賠償請求は本案に関するものであると判断した。Haierの損害賠償責任を確立する過失が認められた。実施者は、原則として、製品の製造や販売を始める前に第三者の権利を侵害していないことを確認する義務を負うが、Haierはこれを怠っていた [60]

さらに、Sisvelの損害賠償請求は、FRAND実施料(「ライセンスの類推」)に限定されたものではなかった [61] 。SEP保有者は、実施者が独自の反訴を主張することができ、SEP保有者がその市場での支配的な地位から生じる義務を履行していた場合に自らが置かれていたはずの地位を要求しない限り、完全な損害賠償を受ける権利を有する [60] 。しかしながら、実施者は、ライセンスを締結する意思を十分に表明している場合にのみそのような(反対)請求をする権利を有するが、本件ではそのような表明はなかった [60]
 

  • [1] Sisvel 対 Haier、デュッセルドルフ地方裁判所、2015年11月3日付判決、事件番号: 4a O 144/14 (UMTS関連特許)及び事件番号: 4a O 93/14 (GPRS関連特許)。
  • [2] Huawei対ZTE、欧州司法裁判所、2015年7月16日付判決、事件番号: C-170/13。
  • [3] Sisvel 対 Haier、デュッセルドルフ高等裁判所、2017年3月30日付判決、事件番号: I-15 U 66/15 (UMTS関連特許)及び事件番号: I-15 U 66/15 (GPRS関連特許)。
  • [4] 連邦裁判所、2020年4月28日、事件番号: X ZR 35/18。
  • [5] Sisvel 対Haier、連邦裁判所、2020年5月5日付判決、事件番号: KZR 36/17。
  • [6] Sisvel 対Haier、連邦裁判所、2020年11月24日付判決、事件番号: KZR 35/17 (juris.bundesgerichtshof.deにより引用)。
  • [7] 同判決、第10-43節。
  • [8] 同判決、第44節。
  • [9] 同判決、第48節以下。
  • [10] 同判決、第49節。
  • [11] 同判決、第52節。
  • [12] 同判決、第53節。
  • [13] 同判決、第54節。
  • [14] 同判決、第55節。
  • [15] 同判決、第84節。
  • [16] 同判決、第86節以下。
  • [17] 同判決、第57節。
  • [18] 同判決、第58節。
  • [19] 同判決、第59節。
  • [20] 同判決、第60節。
  • [21] 同判決、第62節。
  • [22] 同判決、第61節。
  • [23] 同判決、第63節。
  • [24] 同判決、第65節。
  • [25] 同判決、第68節。
  • [26] 同判決、第66節及び第68節。
  • [27] 同判決、第69節。
  • [28] 同判決、第69節。Nokia 対 Daimler, デュッセルドルフ地方裁判所、2020年11月26日付判決、事件番号No. 4c O 17/19参照。
  • [29] 同判決、第70節及び第71節。
  • [30] 同判決、第71節。
  • [31] 同判決、第72節。
  • [32] 同判決、第73節。
  • [33] 同判決、第74節。
  • [34] 同判決、第76節。
  • [35] 同判決、第77節。
  • [36] 同判決、第79節以下。
  • [37] 同判決、第83節。
  • [38] 同判決、第87節。
  • [39] 同判決、第88節以下。
  • [40] 同判決、第89節。
  • [41] 同判決、第93節以下。
  • [42] 同判決、第95節。
  • [43] 同判決、第96-99節。
  • [44] 同判決、第102節以下。
  • [45] 同判決、第102節。
  • [46] 同判決、第108節以下。
  • [47] 同判決、第116節。
  • [48] 同判決、第118節。
  • [49] 同判決、第124節以下。
  • [50] 同判決、第124節。
  • [51] 同判決、第125節。
  • [52] 同判決、第126節。
  • [53] しかし、本裁判所は、2020年5月に同じ当事者間の判決において当該分析を行っていた。Sisvel 対 Haier、連邦裁判所、2020年5月5日付判決、事件番号No. KZR 36/17、特に第76-81節及び第101節以下を参照。
  • [54] Sisvel 対 Haier、連邦裁判所、2020年11月24日付判決、事件番号No. KZR 35/17、第107節。
  • [55] 同判決、第56節。
  • [56] 同判決、第127節以下。
  • [57] 同判決、第130節。
  • [58] 同判決、第131節。
  • [59] 同判決、第131節以下。
  • [60] 同判決、第135節。
  • [61] 同判決、第134節以下。